製薬メーカーの生産が長期にわたって中断されているため、現在の所、禁煙外来は行っておりません。(2023年3月)
喫煙の害
健康被害
喫煙しない人に比べて、喫煙者は何倍も病気になる確率が高くなります。
喉頭癌32.5倍、肺癌4.5倍、肝臓癌3.1倍、口腔・咽頭癌3.0倍、肺気腫2.2倍、くも膜下出血1.8倍、虚血性心疾患1.7倍。
家族に喫煙者がいない場合に比べ、子供の喘息は母親が喫煙者の場合に3倍おこりやすくなります。
経済的損失
1日1箱(400円)として、1ヶ月12000円、6ヶ月72000円、1年144000円。
ライター、灰皿代、カーテンや家具の汚れ、焼けこげ、火事。
病気になると治療費がかかる。
タバコがやめられない理由
身体的依存
ニコチンによる薬物依存症である。つまり、麻薬中毒と一緒です。
ニコチンは脳の快楽中枢に働いて快感をもたらし、少量で眠気覚まし、大量で鎮静作用という作用があります。
喫煙を続けていると脳に変化が起こり、今度は喫煙していないと調子が悪くなります。
これを禁断症状(離脱症状)といいます。
心理的依存
喫煙が毎日の習慣として定着してしまい、起床時、食後、飲酒しながら、会議中などに、
手軽にリラックス感を得る手段として、生活の中でなくてはならないものになってしまっています。
特に吸いたい気持ちが無いのに、手持ちぶさたな時に何となく火をつけてしまうという習慣です。
保険診療による禁煙治療
保険診療では喫煙を「ニコチン依存症」という病的状態と考え、治療を受けることができます。
使用する薬剤により2種類の方法があります。
1) ニコチン製剤(パッチ製剤)によるもの
タバコを止めてニコチン製剤に置き換え、徐々に製剤の量を減らして依存症から離脱するという方法。
薬を使用中にタバコを吸ってしまうとニコチンが余分に体内に入ってしまうという問題があります。
2) 禁煙補助剤によるもの
全く新しい薬剤(2008年販売開始)で、ニコチン拮抗薬という作用をもつため、服用しながらタバコを吸ってもニコチンが作用しなくなります。
服用をはじめて誰もが実感できることは、「タバコの味が不味くなる。」ということです。
(服用開始から1週間はタバコを吸ってもいいことになっているため、このことが実感しやすくなります)
服用中はタバコは吸わないように指導しますが、中にはつい吸ってしまう人もあります。
その際にも「不味いタバコを無理に吸っている」という感覚になるため、その後もタバコを中止しやすくなります。
禁煙に努力や根性は必要か?
喫煙者はニコチンによる中毒状態なので、いきなり止めると禁断症状が現れます。
何も対策なしにこの禁断症状を我慢するには、相当の努力や根性が必要です。
しかし、禁煙補助剤を使用すると禁断症状はかなり軽減されるので、大きな努力なしに禁煙することが可能です。
ただし、一点だけ絶対に必要なことがあります。
それは、「これで禁煙するんだ」という明確な意識です。
なんとなく薬飲んでたら禁煙できるかもしれない、ぐらいの軽い気持ちでは失敗します。
上に書いた心理的依存がしばらく残るため、禁断症状がなくても「つい吸ってしまう」ことになるからです。
大きな努力は必要ないですが、常に「禁煙する」という決心を忘れないようにすることは重要なことです。
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